陛下からのラブレター

 

(ジェイド・・アニス)

 

。その手に持っている物はなんですか?」

「これか?これは親書と一緒に届いた、陛下からの手紙」

「・・・・・・親書と一緒に、ですか?」

「うん。使者がそう言ってた」

「・・・あの人は、一体何を考えているのやら」

「渡すの忘れてたけど、ジェイドにもある。・・・はい、これ」

「これを・・・私に、ですか?」

「うん」

「・・・陛下から?」

「うん」

「へ〜。皇帝陛下から直々に手紙が来るなんてすごいですねぇ〜。普段はそんな風に見えないけど、こういう時も軍人だったんだなって思うよ」

「そうか。・・・どうした、ジェイド?」

「・・・・・・出来れば読まずに捨てたい気分ですが」

「どうして?きっと陛下、ジェイドの事も心配してる」

の手紙には、そういった事が書かれてたの?」

「うん、そう。色々・・・ご飯ちゃんと食べろとか、生水は飲むなとか」

「・・・そんな内容なんだ」

「はあ・・・。も立派な軍人だという事が解っていない筈は無いというのに・・・。あの人は遠征の度にそんな手紙を・・・」

「あ、でもでも。手紙の最後の方に『愛してるぜ』とか書いてある!」

「・・・あの人は」

「ジェイドも読んで」

「・・・はいはい」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「なんて書いてあった?」

「とても口に出して言える内容ではありません」

「・・・・・・?」

「さ、こんな手紙の事など忘れて。先に進みましょうか」

「・・・なんて書いてあったのか、すごく気になるんだけど」

 

 

 


アビス、エンゲーブにて親書受け渡し後。