さんって、攘夷志士なのに帯刀してないんですね」

「なぁに?今頃気付いたの?新八君ってば観察力なさ過ぎ。そんな事じゃいつか誰かにコロっと騙されて多額の借金背負わされた挙句、お妙さんに絞め殺されちゃうわよ

「そんなリアルな例えは止めてください」

「それよりも突然どうしたの?」

「あ、いえ。さんも銀さんたちと同じように攘夷戦争に参加してたって聞いたので。でもさんの武器ってあれですよね。あの・・・」

「ああ、銃ね」

「はい。ちょっと意外だったというか・・・」

「でも銃ぶっ放した時のは格好良かったネ」

「そう?えへへ、照れちゃうなぁ」

「昔っから銃を使ってたんですか?」

「えっとね。昔は私も刀を持ってたのよ」

「それって戦が終わった後、刀捨てたって事アルか?」

「う〜ん、まぁ・・・捨てたっていうか、強制的に取り上げられたというか」

「・・・取り上げられた?」

「なんて言うのかな・・・。私って刀を握ると、好戦的になるっていうか。もう血が騒いじゃって」

「いや、可愛らしく言っても無駄ですから」

「ちょっと機嫌が悪い時なんて、刀持ってたら誰彼構わず切りかかりたくなっちゃうの。まぁ、私にかかれば証拠なんて一つも残さずに闇に葬り去るなんて簡単な事なんだけど、やっぱりそれってちょっと物騒でしょ?だから攘夷戦争が終わった後、小太郎ちゃんに刀を取り上げられちゃったのよ」

「・・・へ、へぇ〜」

「春雨事件の時もねぇ。刀を持ってたらあんな奴ら、この私に立て付いた事を心の底から後悔するほど制裁を加えてやれたのに・・・残念よね」

「桂さんの判断は正しかったと思います」

 

 

彼女の過去

(もうちょっと穏やかに生きられんのか、この人は・・・)

 

 


 

銀魂、春雨事件後。