大戦の最中。

わずか数十名の部隊で帝国軍を壊滅寸前に追い込んだ集団があった。

その名は・・・―――忍空隊。

かろうじて戦争に勝利した帝国府は、彼らの力を恐れ討伐に乗り出した。

今、本当の忍空を知るものは・・・―――少ない。

 

をたどって

 

戦争が終わってから、早数年。

勝利を得た帝国府の始動により、国は平和を取り戻していた。―――そう、表向きは。

だけど、どこにでも悪いやつというのはいるもので。

帝国軍なんて大きな組織になれば、それはそう珍しいものでもなくて。

不思議な事だけど、そう言うヤツほど出世したりして。

だからあれだけ激しい戦いを経たというのに、一般市民の生活は一向に楽にはならなくて。今も、人の心の中はそう穏やかでもなかった。

そんな中、あたしはただ1人、ある人を捜して旅をしている。

年頃の女の子が1人旅なんて、それはそれは厄介な事ばかりだったけれど。

それでもあたしは、その人を見つけなきゃいけなかった。

そうしないと・・・・・・あたしは前には進めない。

 

 

「へぇ、お嬢ちゃん人を捜してんのかい?」

食料を仕入れるために立ち寄った、それなりに大きな街で。

久しぶりにのんびりしようかな・・・なんて思って、あたしは手ごろな宿屋に入った。

だってあいつの居場所の手がかりなんて、ほとんどなくて。

ただ東に行った。―――位しか分からなかった。

そんな少しの情報で見つけられるほど、この世界は狭くないってことも良く分かってたし、今のあたしはその少しの情報を頼りにするしかないってことも分かっていた。

だけどたまにはのんびりしたいじゃない。

急いで・・・ただひたすら進んだって、会えるって決まってるわけじゃないんだし。

そう思いながら宿帳にサインしていた時に、宿屋の親父に1人旅かい?って聞かれて。

だから素直に答えた。―――『人を捜している』と。

宿屋の親父は酷く驚いた様子で(そりゃそうだ、こんなご時世に女の子の1人旅なんて襲ってくださいって言ってるようなものだし)目を丸くして、ただあたしの顔を見た。

「捜してる人って・・・親か?外見はどんな感じだ?」

親って・・・確かにあたしはかなりの童顔だけどさ。

そんな小さい子に話し掛けるみたいに・・・・・・あたしってそんなに幼く見えるかな?

「外見は・・・ね」

それでも素直に答えてしまうのは、その親父が本当にあたしのことを心配してくれている事がよく分かるからだ。

あたしは捜し人の姿を頭の中に思い浮かべ、思い当たる特徴を述べていった。

「カエルを潰したような顔した子供と、10mくらいは軽く飛ぶ男と、よくふんどし一丁でその辺歩いてる男。・・・・・・あとペンギンと女の子が1人一緒にいるハズだけど」

ポツリポツリと上げられていく特徴に、親父の顔が少しずつ怪訝そうにゆがめられていくのを、あたしはなんだか笑い出しそうな気分で眺めていた。

「それって・・・人間かい?」

はい、ごもっとも。

それってどんな人間だよ!って思わず突っ込みたくなるだろうね。

でも彼らの特徴って言ったら・・・それしか思い浮かばない。

「まぁ・・・早く見つかるといいな・・・」

どこか覇気のない口調で、だけど親父はそうやってあたしを励ましてくれた。

実際問題、あれだけの珍集団が目立たないわけないんだよね。

しかもそれぞれがトラブルメーカーなわけなんだし。

絶対どこかで大騒動を巻き起こしてるハズ。

まぁ、あたしはその足跡をたどって彼らを追いかけてるんだけど・・・。

「うん、ありがとう。早く見つかったらいいな・・・」

親父にそう返事を返して、部屋の鍵を受け取った。

とりあえず荷物を置いて、街をぶらつこうかな〜なんて考えながら階段に足をかけたその時・・・―――外で妙な騒ぎが起こり、思わずその場で振り返った。

見れば親父も怪訝そうな表情で、今は閉じられている玄関のドアを見ている。

「そいつらを捕まえろー!!」

突然男のそんな怒鳴り声が響き、あたしも親父も何となく納得した。

何が起こったのかは分からないけど、とにかく誰かが帝国兵に追われているんだろう。

そう結論を出し、あたしは何事もなかったかのようにそのまま部屋に入った。―――そして、その数時間後。

夕食を取っていたあたしは、『帝国兵が『カエルを潰したような顔した子供と、異様にジャンプする男と何故かふんどし一丁の男と女とペンギン』を捕まえた』と言う噂を耳にする事になる。

 

 

「ちょっと、出しなさいよ、こらぁ!!こんなか弱い女の子をこんなところに閉じ込めてて良い訳!?あんたたち、聞いてんのっ!?」

「・・・落ち着け、里穂子」

鉄格子をガシャガシャと揺さぶりながら絶叫する里穂子に、橙次は呆れたようにただそう呟いた。―――そんな言葉がこの怒り狂う妹に聞こえているとは、思っていなかったが。

ただいま彼らの現在地は、牢屋の中。

脱出しようにも、狭い部屋の中では酉忍の藍跳は役に立たないし(そう言ったら殴られた)、彼の技も、そして風助の風圧拳でも壁1つ壊す事が出来なかった。

まさに八方塞。

「・・・ったく、テメェがもたもたしてたから捕まっちまったんだろうがっ!」

藍跳が舌打ちしてから、おもむろに橙次の顔を睨み吐き捨てるように呟いた。

それに異論がないはずもなく、橙次も藍跳を睨みつける。

「なんだと?お前こそ、余計な事ばっかりしやがって!俺の計画は完璧だったんだよ、お前さえ邪魔しなきゃな!」

「・・・んだと!?」

狭い牢屋の中に険悪な雰囲気が漂い始めた。

その空気に、先ほどまで力の限り叫んでいた里穂子も、窺うように2人を見る。

この2人。―――仲間で気が合っているかと思いきや、こんな風に喧嘩することもしょっちゅうで。

どうやってこの場を収めようか・・・と頭を悩ませるのは、いつも里穂子だ。

もう1人いる仲間の風助は、この状況を一向に気にする様子もなく。

「あ〜、腹減ったなぁ・・・」

などと床に寝そべりながら、ただ宙を見つめるばかり。

「なんだ、テメェ。やるってのか!?」

「おお、おお、威勢がいいな。そんなに俺にコテンパンにやられたいのか!?」

ますます決定的に険悪な雰囲気に陥ってしまった。

『コテンパンにやられるのは、お兄ちゃんの方よ!』とか、藍跳に恋をする里穂子としては口を挟みたいが、いかんせんそんな空気でもなくて。

いっそこのまま暴れてくれれば、牢屋から脱出できるかしら?なんて考えさえも浮かんでくる。

要するに、もう諦めてしまったのだ。―――この2人の喧嘩を止めるなんて無理だと。

そう思ってしまえば、幾分か気は楽になる。

叫ぶのも疲れて、里穂子は床に座り込み壁に背中を預けて天井を仰いだ。

これからどうなるんだろう?

そんな考えが、やっと頭の中に浮かんできた。―――その時。

「ぴぎーっ!!」

一緒に旅をしている風助の友達のペンギン・ヒロユキが、突如奇声を上げた。

そのただ事ではない声に、天井を仰いでいた里穂子・寝そべっていた風助・そして喧嘩をしていたはずの橙次と藍跳までもが、何事かとヒロユキを見つめる。

当のヒロユキは、ただ奇声を上げてバタバタと手を振るのみ。

いや、その視線は牢屋の向こう・・・―――どれだけ続いているのか分からない程長い廊下の先を見つめている。

もちろん薄暗く何があるのかは分からないが・・・ただそこに人の気配を感じた。

「・・・なんだ?」

風助の呟きを合図に、ゆっくりと足音がその静かな空間に響いた。

どんどんこちらに近づいてくる。―――帝国兵だろうか?

もちろんこの状況からすれば、帝国兵以外ないだろうが・・・不思議と、何故かは説明できないが、敵ではないような気がした。

4人+1匹は、ただその足音の主が現れるまで、固唾を飲んで待った。

そしてとうとう暗がりから足が見えるところで、しかしその人物はピタリと歩みを止める。

茶色いブーツだけが、何とか確認できる―――そのサイズは男にしては小さいように思えた。

「・・・やっと、見つけた」

再び静かになったその空間に、高い透明感のある綺麗な声が響いた。

 

 

帝国兵が『カエルを潰したような顔した子供と、異様にジャンプする男と何故かふんどし一丁の男+少女とペンギン』を捕まえた、と言う噂。

それを聞いたとき、間違いない。―――そう思った。

異様にジャンプする男とふんどし一丁の男、まではまだ偶然というのも百歩譲って納得できるが、カエルを潰したような顔した子供というのは、そうそういるもんじゃない。

あたしの知っている、彼しか。

そう確信したあたしは、危険を承知で帝国軍の基地に乗り込むことにした。

本部ではないにしても、早々乗り込めるようなものではないが・・・そこはそれ。

あいつに会うという意地と根性で、何とか乗り切った。

帝国兵に見つからないようにあちこちうろうろした結果、ようやく牢屋らしき地下への道を見つけ、『ここにいますように』と祈りつつ足を踏み入れる。

あたしの予想は(確信に近いものだったが)見事に当たった。

牢屋は広くて、そのほとんどがあまり使われていないみたいだったけど、その広い空間には場違いなほど明るい声がそこに響いていたから。

数年前までは日常的に聞いていた、彼らの声が。

逸る気持ちを押さえ、ゆっくりとその声がする方へ歩いていく。

するとすぐにその声は聞こえなくなった。―――と同時に、少しだけ張り詰めたような空気を感じる。

それでもあたしはそのまま、ゆっくりと歩きつづけた。

そして・・・―――鉄格子を嵌め込まれた窓から降り注ぐ月の明かりに照らされて、彼らの姿がはっきりと見える位置まで来ると、ピタリと足を止める。

懐かしい、ずっとずっと捜していた彼が・・・そこにはいた。

「・・・やっと、見つけた」

ただそれだけを無意識に呟いていた。

彼は分かるだろうか?

小さく呟いた声で、ここにいるのがあたしだってことが。

耳が痛くなるほどの沈黙が続く中、きょとんとしていた風助が不意に表情を明るくさせて叫んだ。

「・・・!!」

「・・・・・・!?」

あいつは驚いたように目を丸くさせて、パチパチと数回瞬きする。

おそらくあっちからはあたしの姿は見えないんだろう。

少しだけ笑って、それからまた歩き出した。

今度は牢屋のすぐ傍まで・・・―――彼らがあたしの顔を確認できる、すぐ近くまで。

「ちょ・・・お前、何でこんなとこにいるんだっ!?」

この状況を理解できないのか、藍跳がまるで幻でも見るかのような目つきであたしを見る。

確かに、信じられないのも無理はない。

だってタイミング良すぎるでしょ?

何の脈絡もないのに・・・。

彼らはあたしが旅をしていること、知らないんだもの。

今でも故郷のあの村で、静かに生活してると思ってるんだろうから。

「ちょっと、この人誰よ?もしかして・・・・・・藍跳さんの彼女・・・!?」

「誰が藍跳の彼女だよ!!」

1人あたしを知らない女の子(確か里穂子ちゃんだっけ?)が、顔を青ざめさせてあたしを見る。―――それに反論したのは、他でもない橙次だった。

「あのな〜、こいつはってんだ。俺の友達だ!」

風助が気の抜けた(彼はいつもそうだ)声で紹介してくれたので、あたしはにっこりと笑顔を浮かべ、里穂子ちゃんに向かって手を差し出した。

「初めまして、です。よろしくね」

こそっと『藍跳の彼女じゃないから・・・』と耳打ちしてあげると、さっきとは打って変わって顔を綻ばせながら手を握り返してくれた。

う〜ん、わかりやすい。

「それで、友達ってさんとはどこで知り合ったの?―――っていうか、よくここまで来れましたね・・・」

感心したように呟く里穂子ちゃんに、あたしは悪戯っぽく微笑みかけて。

こんな状況なのにも関わらず、事の次第を話そうかと口を開きかけたその時。

「そこにいるのは、誰だ!?」

野太い男の声が響き、そして―――。

パァン!

何かが破裂したような・・・とても聞き覚えのあるその音が、あたしの耳に響いた。

 

 

「キャー!!」

里穂子の悲鳴が、牢屋いっぱいに木霊する。

彼女の目の前には、帝国兵に銃で打たれ、苦痛の表情で床に倒れこむの姿。

そして次の瞬間・・・―――それは硬い木のような物に姿を変えていて。

里穂子が顔を上げるのと、帝国兵が床に伏すのとは同時だった。

「・・・・・・変わり身の術?」

それは風助・橙次・藍跳が使う、忍空の技の1つ。

はな、忍空使いなんだよ」

のんびりとした風助の声が、里穂子の耳に飛び込んできた。

「しかも幹部。一番隊の・・・つまりは風助の隊の副隊長だ」

引き続き、橙次がどこか自慢気に言い放つ。

「・・・ったく、わざわざ打たれたように見せかけるなんてタチ悪ぃぜ・・・」

藍跳も呆れたように呟く。

つまりはそういうことなんです。

彼女が1人旅をしていられるのも。

単身で帝国軍の基地に乗り込んで来れたのも。

銃で撃たれたはずなのに、傷1つないのも。

すべては彼女が忍空使いだから。

「とりあえずここから出ようか。話はそれから・・・ね?」

にっこりと微笑んで、男の懐から鍵束を取り出したは、それを無造作に風助たちの方へと放り投げた。

 

 

『この戦いが終わったら・・・ずっと一緒にいよう』

その言葉を聞いたとき、はっきり言ってびっくりした。

だって普段はおちゃらけて、いつも冗談ばっかり言ってて、狼少年じゃないけど言葉に重みなんてなくて・・・―――だけどその時は、いつもからは想像できないくらい真剣な表情をしていて。

単純に嬉しかった。

現実問題として、それが叶うのか分からなかったけれど。

その時は、戦争なんてずっと終わらないんじゃないかと思っていたけれど。

その約束があったから、頑張れた。

その言葉があったから、諦めないで前に進む事が出来た。

だから結局は負けてしまったけれど、戦争が終わった事に少しだけ嬉しさを感じた。

だって仕方ないじゃない。

それが正しい事なのかは分からないけど。

好きだったから、大好きだったから。

一緒にいられることを望むのは、おかしい事じゃないでしょ?

だけど、彼は姿を消した。

行方知れず。―――風の噂で、帝国軍に入ったという話を聞いた。

それが本当なのか分からなかったけれど、1つだけ確かな事があった。

あたしは取り残されてしまった。

あたしは前に進む事も、後ろに戻る事も出来なくて・・・―――過去の約束を忘れる事なんて出来ずに、ただ空虚な毎日を過ごしていた。

「・・・それで、何でお前がここにいるんだ?」

帝国軍の基地から脱出したあと、近くの森で休憩がてら腰を下ろした4人+1匹は、ただぼんやりと空を見上げるあたしへと視線を向けた。

「・・・橙次を捜してたの」

あたしはありのままを告げた。

よく『お前は素直すぎる』と仲間から言われていたっけ?

ちょっとは心を隠す事も覚えろよ、と誰かが言った。

嘘をつくことを勧めるなんてどうなんだ?とか思ったりもしたけど、戦いの中に身を置く者としては当然のことなのかも知れないとも思った。

結局は、あたしは変わらないままだったけれど。

あたしのその言葉に、橙次が神妙な面持ちであたしを見つめ返す。

橙次の真剣な顔って笑える。―――とか、そんなどうでもいいことを考えた。

「・・・おれを?」

ポツリと呟く橙次に、あたしはただ頷く。

「別に『あの言葉』が本当じゃなくてもいい」

ピクリ、と橙次の身体が動いた。

それに構わず、あたしは言葉を続ける。

「『あの言葉』が嘘でもきまぐれでも、それでも構わない。人の心は変わるし、あの追い詰められた状態で言った言葉の責任を取れなんて言わない」

「・・・・・・

「だけど、あたしは嬉しかったから。すごく、幸せな気持ちになれたから・・・」

それでも・・・やっぱり嘘じゃなきゃいいなって、そう思うけど。

でも、今のままじゃあたしは前に進めないから。

あの約束にすがって、ただ待ちつづけるなんて嫌だから。

「だから・・・・・・」

「・・・・・・」

「だから・・・・・・こんなにもあたしを振り回した責任とって、一発殴らせろ」

「オイ!」

橙次の呆れたようなツッコミが入った。

「あれだけシリアスな雰囲気出しといて、結局それかよ・・・」

らしいっちゃ、らしいけどな・・・」

藍跳が呆れたように呟き、風助がどこか楽しそうに笑う。

1人状況が掴めない様子の里穂子ちゃんは、ただあたしたちを見ていた。

「お前、今責任取れなんて言わないっつっただろうがっ!!」

「それとこれとは、別!あたしの青春時代を橙次の気まぐれに捧げたんだから、一発ぐらい殴らせなさいよ!」

いくら女だとは言っても、あたしだって一応忍空使いなんだから、もちろん軽症で済ますつもりはないけど。

「気まぐれって・・・、俺は今でも『あの言葉』に偽りはない」

密かにどう殴ろうか考え込むあたしに、橙次はきっぱりとそう告げた。

思わず橙次を見ると、彼は力なくため息を吐いた。

「・・・その疑わしそうな目はやめろ」

「だって・・・」

「いろいろあったんだよ。それにまだ、戦いは終わってない・・・」

橙次のその言葉は、重みがあった。

あたしに『あの言葉』を言ってくれた時のように。

『戦いはまだ終わってない』

それはあたしだって十分に分かってる。

曲がりなりにも、橙次たちを追って各地を旅してきたんだから。

帝国に苦しめられている人は、数え切れないほど。

戦いさえ終われば幸せになれるなんて、そんなのは幻想だったと知った。

橙次が・・・そんな帝国を許せずに、単身戦いを続けているなんてことも知ってた。

風助や藍跳たちと合流できたのは、本当に良かったと思う。

だけど、どうして言ってくれなかったの?

どうして『俺と一緒に戦ってくれ』って言葉を、あたしにくれなかったの?

あたしの身を案じてのことだと分かっているけど。

ただ待ち続けるなんて、そんなの嫌なの。

橙次と一緒に歩き続けたいの。―――それがどんなに過酷な道でも。

肩を並べて、同じ物を見て、同じ事を感じて。

そうやって一緒の時を過ごしていきたいの。

あたしには戦える強さが、確かにある筈なんだから。

「・・・分かった。一発殴るのはやめにしてあげる。その代わり・・・」

あたしは俯いたままそう呟き、それからパッと顔を上げるとにっこり微笑んだ。

「一緒に行くからね、あたしも!」

「・・・あのなぁ」

「戦いが終わってなくても、『一緒にいる』ことはできるでしょ?」

ピッと人差し指を顔の前で立てると、橙次は呆れたように笑った。

もう跡を追うのは嫌なの。

姿が見えない足跡を追うのは、もううんざり。

だから、今度はちゃんと着いて行くよ。

ちゃんと、貴方の隣を歩いていく。

 

 

こうしてあたしは、風助と藍跳と里穂子ちゃんとヒロユキと。

そして一番会いたかった橙次と一緒に、帝国軍に戦いを挑む旅に出た。

 

 

◆どうでもいい戯言◆

忍空です。

忍空ドリームなんて、うちにしかないでしょう、多分(笑)

昔すごくハマってたんですよね、これ。

もちろんアニメとかも見てましたよ。

今回のは、どちらかといえばアニメ版の色が強いですが。

まさか彼らでドリームを書く事になるとは思いもしませんでした。

珍しく恋愛物・・・と思いきや、どうして甘くならないのか?

かなりのヘボ仕様ですが・・・楽しんでいただければ幸いです。

・・・・・・というより、読んでくれてる人いるんだろうか?(笑)

作成日 2003.11.21

更新日 2007.9.23

 

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