ふわりと額に冷たいものが押し当てられる感覚に、はゆっくりと覚醒していく。

重い瞼を何とかこじ開けると、目の前にはナルの整った顔がある。

ああ、これってまだ夢の続きなのかも・・・―――そんな事をぼんやりと思いながら、今もまだ朦朧とする意識の中再び眠りにつこうと瞳を閉じる。

しかしその直後、バチンという小気味の良い音と額に走った鋭い痛みに、は驚き思わず飛び起きた。

「いつまで寝ているつもりだ」

いつもと変わらない冷たい表情でそう言い放つナルをぼんやりと見上げ、すぐに現状を把握したは咄嗟に乾いた笑みを浮かべる。

そうだ、これでこそナルだ。

何処かホッとするものの、寝起きにはあまり良いとは思えないナルの眼差しから逃れるように視線をあさっての方向へ向けたは、ベースにナルとリン以外の人の姿がない事に首を傾げた。

「あの〜・・・みんなは?」

「居間だ。あそこに大穴が開いたんでな。今、原さんに見てもらっている」

そう言うなり立ち上がり部屋を出て行こうとするナルに制止の声を掛けると、ナルは「詳細はリンに聞け」とだけ言い残してとっととベースを出て行った。

途端に静まり返る室内。

ナルがいた時も静かだったが、現在はそれ以上だ。―――何よりも、空気の重さが違う。

「・・・え〜と」

「除霊の後、居間に穴が開きました。古い井戸のようですが・・・どうやら今回の怪異の原因はその井戸にあるようです」

「・・・はぁ」

淡々とした口調で、しかもモニターを見ながら説明をするリンの背中を眺めて、は返事ともため息とも取れるような息を漏らす。

「今の貴女にとっては、あそこの空気は辛いはずです。事が済むまでここで大人しくしていてください」

言外に邪魔だからここにいろと言われている事に気付き、は引き攣った笑みを浮かべる。

確かに、確かに自分は今回ほとんど何もしていないけれど・・・。

あんまりといえばあんまりの言い方に、本当に仲良くなれるんでしょうね・・・とは夢の中のナルに心の中で毒づいた。

 

悲しみをぶもの

 

「え〜・・・と、つまり・・・」

態度で面倒臭いと主張するリンから無理やり現在の状況を聞きだしたは、こめかみに指を当てながらう〜んと小さく唸り声をあげる。

真砂子の見立てによれば、諸悪の根源はこの家に住み着く女の霊であり、その女の霊は母親のふりをして子供の霊を集めているらしい。

ミニーに乗り移った立花ゆきという最初の被害者が、その女の霊の言いなりとなって次々に子供を取り殺していった。

では何故、その女の霊は子供の霊を集めているのか。

その理由は、自分の娘を探す為。―――その為に子供の霊を集めているのだという。

が聞いた『とみこ』というのが、女の子供の名前らしい。

「リンさん。最初に霊視した時に私が言ってたっていう『かえして』って言葉だけど・・・あれってやっぱり『返して』だった。居間にいた時に聞こえたの、女の声」

「・・・そうですか」

素っ気無い返事に、は居心地悪そうに身じろぎしつつため息を吐き出す。

まったくもって会話が続かない。

勿論もリンと弾むような会話・・・など望んでいるわけではないが、せめてこの妙に緊迫感に満ちた空気は遠慮したい。

その原因はリンだけではなく、何か話さなければならないと必死に考えを巡らせているにもあるのだろうが。

「・・・ねぇ、ぼーさんたちは?」

手持ち無沙汰に掛けてもらっていた毛布を弄びながら、はリンの背中に問い掛ける。

先ほどからちらりとも振り返らないリン。―――解ってはいたけれど、ここまで完璧に嫌われるとは・・・。

切ないやら悲しいやら、いっその事笑い出したいやら・・・複雑な心境のまま、はじっとリンの返事を待つ。

「滝川さんとブラウンさんは、ホテルへと向かいました。どうやら松崎さんが除霊をするようですが・・・」

「じゃあ、私もそっちに・・・」

さん」

鋭い声で名前を呼ばれ、はぎくりと身体を強張らせる。

恐る恐る振り返れば、先ほどまではこちらを見もしなかったリンが鋭い眼差しでじっとこちらを見つめている。

「この部屋で待機していてくださいと言ったでしょう?―――ナルの指示です」

キッパリとそう言い切るリンに、は愛想笑いを顔に貼り付けた。

ならもうちょっとにこやかにしてくれればいいのに・・・と、密かに心の中で呟く。

こんなにも空気が重くなければ、とてわざわざ危険いっぱいの居間へ行こうとしたりはしないのに。

「・・・麻衣は?」

「松崎さんの付き添いです」

あっさりと返ってきた言葉に、はリンに見えないところでぐっと拳を握り締める。

「綾子め・・・また怖いとか言って、今度は麻衣を巻き込むつもりだな」

まぁ、その気持ちも解らなくはないけれど・・・―――それでもこの場から麻衣という癒しを奪っていった綾子に、は小さな声で文句を投げた。

しかしそれとは別の思いも湧き上がり、は意を決して立ち上がる。

そうしてその足で入り口へと歩を向けると、当然の事ながらリンの咎めるような声が掛けられた。

リンの言いたい事も解る。

確かに何度も失態を犯したとしては、これ以上迷惑を掛けるのは避けたい。―――ここでがまた倒れるような事があれば、きっとその責任はリンに降りかかるのだろう。

それでも、としても譲れない線はあるのだ。

じっとこちらに鋭い眼差しを向けているだろうリンへと振り返り、案の定こちらを睨みつけているようなリンと視線を合わせて、は先ほどまでの戸惑った様子など微塵も感じさせずにキッパリと言い切った。

「綾子が1人で怖いって言うなら、私が付き添う」

さん」

「こう言っちゃなんだけど、今の綾子に自分と麻衣を守るだけの力があるとは思えない。あそこにいる女の霊の憎しみがどれほど強いか、私は身を以って知った。―――だから麻衣をあそこへは置いて置けない」

確かに自分があの場へ行っても、出来る事などないだろう。

空気に当てられるだけで気分を悪くするには、とても女の霊を説得する事や、滝川たちのように除霊する事も出来ない。―――それが解らないほど、は愚かではない。

もしかするとまた倒れてしまうかもしれない。

それでも、には自らの身を守る術はある。―――少なくとも、異変を察したリンが助けに飛び込んでくるくらいの間は。

けれど麻衣は違うのだ。

麻衣はまだバイトになったばかりの、普通の女子高生となんら変わりない。

不本意ながらもプロの端くれに入るにとっては、そんな麻衣をみすみす危険に晒すわけにはいかないのだ。

そんなの思いも、リンにとってはお見通しなのだろう。

だが今回ばかりは見過ごすわけにはいかなかった。―――ナルの指示だという事を抜きにしても、今のは精神的にも肉体的にも不安定すぎる。

霊視能力に優れているという

それは時と場合によっては、命取りにも成り得るのだ。

お互い無言のまま、じっと睨み合いを続ける。

こんな事をしている場合ではないのに・・・―――がそう、少しの焦りを抱いた時だった。

『麻衣!?』

スピーカーを通して、綾子の悲鳴のような声が聞こえる。

さん!!」

それに何かあったのだと察したは、リンの制止の声も振り切ってベースを飛び出した。

全力疾走で廊下を駆け、勢い良く居間へと飛び込む。

そうしての瞳に映ったのは、恐怖と混乱に叫び声を上げる綾子と、そして・・・―――今にも古井戸の中に引きずり込まれそうになっている麻衣の姿だった。

「麻衣っ!!」

!助けて!助けてぇ!!」

まるで何かに足を引っ張られるように、床を引きずられていく麻衣。

考える余裕などなかった。

必死に手を伸ばす麻衣に向かい、もまた手を伸ばす。

「麻衣!麻衣ぃ!!」

「谷山さん!!」

綾子とリンの声が聞こえた。

「リンさん!!!」

麻衣の恐怖に彩られた叫び声。―――それに引き寄せられるように、は大きく手を伸ばし、麻衣の手を捉えて強く握り締めた。

「・・・っ!!」

一体、誰の叫び声だったのか。

身体が宙に投げ出される感覚と共に、の視界は反転する。

声にならない声を上げて、それでも握り締める麻衣の手に更に力を込めながら。

さん!!」

流れる景色のその中で、リンの強張った顔が瞳に焼きついた。

 

 

あのこは、どこ?

 

ぼんやりと立ち尽くす。―――意識が虚ろになっていく。

あのこは、どこ?

あのこは、どこに行ってしまったの?

『・・・とみこ』

名前を呼んでも、返事は返ってこない。

『富子・・・富子・・・!!』

どこへ行ってしまったの?

どうしてどこにもいないの?

『富子ぉ!!』

わたしの・・・。―――わたしの、たった1人の・・・。

『とみこぉぉぉぉぉ!!』

わたしの、たった1人の・・・愛しい・・・。

 

 

ふわりふわりと揺れる感覚に、は未だ覚醒しないまま身を預ける。

まるで波間を漂っているような・・・―――何かに包み込まれているような安心感。

温かいその場所は、とても居心地が良い。

ずっとこのままでいたいと思いながらも、しかしの意識はゆっくりと浮上する。

うっすらと開いた瞳にまず映ったのは、白。

布地のようなそれを辿って目線を上げれば、そこには不機嫌そうな表情をしたリン。

不機嫌そうな顔の・・・リン?

「うおっ!!」

ぼんやりとした意識が一気に現実に引き戻され、は女の子らしい悲鳴を上げる事も出来ないまま身体を強張らせる。

なんで、どうしてこんな事に?

考えても考えても解らない。―――どうして自分が今、リンに抱き上げられているのか。

「・・・気がつきましたか?」

普段と変わらない声色で平然とそう問い掛けるリンに、は何と答えてよいやら解らず口を噤む。

そうしている内に目的地へと辿り着いたらしい。

今は誰もいないベースに入り、をソファーへと下ろしたリンは無表情のまま傍らに膝をつき、まるで睨みつけるようにへと視線を向けた。

「・・・気分は?」

否、どうやら睨みつけるように・・・ではなく、本気で睨みつけているらしい。

まるで人事のようにそんな事を考えながら、は質問の答えを探して首を傾げる。

「悪く・・・ない、ような」

答えながら、一体何がどうなっているのだと眉間に皴を寄せる。

何故自分はリンに抱き上げられていたのか。―――しかも所謂お姫様抱っこというやつで。

そこまで考えたは、漸く何があったのかを思い出し、先ほどまでのぼんやりとした様子を感じさせないほど素早い動きでリンへと掴みかかった。

「麻衣は!?麻衣はどうなったの!!」

あの時、確かに自分たちは井戸へと落ちた。―――あの恐ろしい女の霊が棲まう、あの井戸の中へ。

あれから一体どうなったのか。

おそらくは意識を失ってしまったのだろう。―――まったく記憶にはないが、覚えていない事がないわけでもない。

「谷山さんは無事です。意識もはっきりとしています。今は休んでいますが・・・」

リンの答えに、はホッと息を吐く。

どうやらあの女の霊の影響はなかったらしい。―――加えて、それなりに深い井戸に落ちた怪我もないようだ。

「それよりも、谷山さんは何か夢を見たと。女の過去・・・のようですが」

「女の過去?」

そのキーワードに、の心に暗く悲しい影が落ちる。

「・・・私も、見たかも」

「・・・・・・?」

「女の過去。・・・というよりは、女の気持ち・・・かな?」

夢の中で、は女とシンクロしていた。

たった1人の、大切な大切な娘。

彼女がいなくなり、泣き叫んでいた。―――聞く者を震えさせるほどの絶望の声で。

あれほどの深い悲しみと、恐怖と、絶望をは知らない。

だからといって、女のしてきた事が正当化されるわけではないけれど。―――それでも彼女をあの深い絶望から救ってあげられたら・・・とそう思うのだ。

の話を無言で聞いていたリンは小さく息を吐き、そうして徐に立ち上がる。

「真偽の程は解りませんが、谷山さんも同じような夢を見ていたということは、案外的を得ているのかもしれませんね。―――しかし・・・」

更に鋭い視線を向けられ、ソファーに寝転がったままの体勢で思わず身体を強張らせる。

もしかして怒ってる?―――そう問い掛けたい衝動と、掛けられた毛布に潜ってしまいたい衝動を抑えて、はじっとリンの言葉を待った。

「これ以上の無茶はやめてください。女の霊に接触するたびに倒れられていたのでは、こちらとしても迷惑ですから」

キッパリとそう言い切られ、反論の言葉もないは無言でリンから視線を逸らす。

確かにリンの言い分はもっともだ。―――ここへ来て一体何度倒れたのか、数えると空恐ろしい気分になる。

けれど、そもそもをこの事件へ引っ張り込んだのはナルなのだ。

助っ人として呼ばれたからには、黙ってみているわけにもいかない。―――まぁ、やる気があったかといえば難しいところだけれど。

またもや沈黙の落ちた部屋の中で、そういえばリンはどうしたのだろうかとは逸らした視線を元の場所へと戻す。

するとまだの傍らにいたリンが、今もまだ鋭い視線をへと送り続けていた。

そんなに睨まなくても・・・!!―――そう心の中で叫び声を上げたは、しかしある可能性に気付き目を瞬かせる。

もしかしてリンは怒っているのではなく、心配してくれているのだろうか?

「・・・・・・」

まっさか〜!と自分自身に突っ込みをいれ、はははと乾いた笑みを浮かべる。

けれどその可能性はゼロではないのかもしれない。

今もまだの傍らに膝をつくリンを見ているとそう思えて、もしかすると今ならば言えるかもしれないと、は躊躇いがちに口を開いた。

「ねぇ、リンさん」

「・・・なんですか?」

声を掛けると、意外にも返事が返ってきた。―――てっきり無視されるのだろうと思っていたはそこでも驚きつつ、しかしその事実に後押しされるように言葉を続けた。

「リンさんは中国人で、だから日本人を嫌ってるんだよね」

ピクリ、とリンのこめかみが僅かに痙攣する。

向けられる視線が更に鋭さを増した事に気付きながらも、は意を決して口を開いた。―――ここまで来てやめるわけにはいかない。

「それは、仕方のない事なのかもしれない。国同士の歩み寄りはそんなに簡単な事じゃないし、きっとこれから時間を掛けて解決していく問題なんだと思う」

「・・・・・・」

「・・・だけど、私は」

ぎゅっと拳を握り締めて、唇を噛む。

リンから話を聞いた時、最初に抱いた感情は何だろう?

苛立ちに似た悲しみと、そして・・・諦め。

じゃあ仕方がないかという、無責任な諦め。

まだ何の努力もしていないのに?―――そこですべてを投げ出しても、解決なんてありはしないのに。

「私、結構そういうの慣れてる方なんだけど・・・、それでもやっぱり嫌なの。そんな・・・日本人って一括りにされて、それで嫌われるなんて」

「・・・・・・」

「私が見てるのは、中国人のリンさんじゃなくて、1人の人間としてのリンさんなの。だから・・・リンさんにも、日本人としての私じゃなくて、1人の人間としての私を見て欲しい。―――自分勝手な言い分だって事は解ってるけど」

それでも。

「それでも私は、リンさんと・・・仲良く、なりたい・・・の」

途切れ途切れに言葉を搾り出し、は大きく息を吐く。

こんなにも緊張して話をしたのはいつ振りだろうか?―――学校で全校生徒前での論文発表だって、これほど緊張しなかったのに。

何度目かの沈黙に、は俯いたまま息を潜める。

リンは何も言わない。

彼が今何を考えているのか。―――そして彼がどんな結論を下すのか、それはには想像もつかない事で。

「・・・ふ」

重い沈黙と緊張感にじっと身体を強張らせていたは、不意に聞こえた微かな噴出すような音に気付いて恐る恐る顔を上げた。

そうして瞳に映ったのは、少し顔を背けながら笑いを堪えるリンの姿。

「・・・・・・なんで笑ってんの?」

寧ろ今のこの空気と先ほどの会話に、笑う要素など一欠けらもなかったはずだが。

「・・・知っています」

「・・・何が?」

ポツリと呟いたリンの言葉に、は訝しげに首を傾げる。

知っているって、一体何を・・・?

「居間に井戸の穴が開いた時、倒れた貴女がうわ言のように呟いていたので・・・」

だから、何を?―――そう問い掛ける前に記憶を巡らせ、そうして1つの可能性に思い至り、パッと頬を赤らめた。

「もしかして、それって・・・リンさんと仲良くなりたい・・・ってやつ?」

無言。―――それは肯定ととっても構わないという事で。

一瞬にして羞恥が襲い掛かり、は掴んでいた毛布で顔を隠す。

確かにあの時、夢の中でナルと会い、そんな話をした。―――しかしまさか、それを口走っていたとは・・・!!

「あ、あの・・・それってたとえば他の人も・・・?」

「いえ、幸運にも耳にしたのは私だけです」

どうやら最悪の事態は免れたらしい事を察して、私は毛布の中で安堵の息を吐く。

なんだか愛の告白をした時と同じくらい恥ずかしい気がするのは何故なのか。―――いや、は誰かに愛の告白などした事はなかったけれど。

それにしてもとんだ失態だ。

他の人に聞かれなかったのは良しとして、しかしそれを当の本人に聞かれるとは・・・!!

もう何がなんだか解らず身を縮こめていたは、不意に傍らに跪いていたリンが立ち上がる気配を察し、毛布の隙間から様子を窺う。

結局うやむやにされてしまった問題に、先ほどの決意はなんだったのかと途方に暮れる。

宙ぶらりんになった複雑な心境のまま、モニターの前へと戻るリンの背中を見送って。

けれど僅かに首だけでリンが振り返ったのに気付いて、は思わず目を丸くした。

「確かに、国同士の問題を個人に向けるのは馬鹿らしい事だと私も思います。けれど生理的な反発はどうしようもありません。貴女にもそれは解っているようですが、私は・・・」

「・・・・・・」

珍しく会話を試みようとするリンをまっすぐ見返して、は無言で話の先を待つ。

たとえリンがどんな結論を出そうと、が文句を言う筋合いはない。

けれど・・・それがどれほど難しい問題でも、たとえ傷つくだけだったとしても、目を逸らしてはいけないのだ。

しっかりと向き合わなければならない。―――それが一個人として、が出来る唯一の事なのだ。

ほんの少しの躊躇いを瞳に浮かべて・・・―――しかしそれでもリンは普段と変わらないキッパリとした口調で言い切った。

「私は、貴女を嫌いではありません」

ただそれだけを言い残して、まるで何事もなかったかのようにいつも通りモニターと向かい合うリンの背中を見つめて、しばらく呆けていたは少しづつ口角を上げた。

問題が解決したわけでも、リンと仲良くなれたわけでもないけれど。

それでも、それに対する努力をする事の許可はもらえたのだと・・・―――これからも関わって良いのだと言われたと判断して、は嬉しそうに頬を緩める。

話せば、解り合える事は意外と多いのかもしれない。

改めてそう思い、は今度こそ言い付けを守るべく、毛布を被ってソファーに身を寄せた。

 

 

◆どうでもいい戯言◆

ちょっと話の持って行き方が強引過ぎる気もしますが。

とりあえずリンを恋愛担当に割り込ませるための下地(?)は完了しました。

ちょっと最近の主人公の性格が変わった気がしますが、そこは『体調悪い時って弱気になるよね〜』くらいに流していただければと・・・。

作成日 2007.9.29

更新日 2007.11.19

 

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