「ちょっと、リンさん待ってってば・・・!!」

飛び出していった和泰とリンを追って外に出たは、既に姿の見えないリンにそう声を上げつつも上がった呼吸を整えつつ前を睨みつける。

「・・・もう、2人とも足早いんだから!」

小さく悪態をついてみても、残念ながら返事は返ってこない。―――まぁ、そんな悠長な事を言っていられるような状況ではない事も確かなのだけれど。

それでもなんとか荒い息を整えて、は2人が去っていった方向へと視線を向けながら疲れて重くなった身体に鞭打って足を踏み出す。

リンが喧嘩に強い事も霊能者として有能だという事も理解しているが、だからといって彼を1人にしては置けない。

和泰に向けて九字が撃てない以上、リンに手出しは出来ないのだ。―――式もいない今、もしかするとよりも無防備なのかもしれない。

その考えに背筋に悪寒が走り、は急かされるように駆け出す。

しかし漸くリンの背中が見え、近づこうとその足を1歩2歩と踏み出したその時、急に身体が重くなった気がしては思わずその場に踏み止まる。

気がつけば妙に息苦しい。

疲れているからではない。―――これは・・・。

そう認識したその瞬間、は誰かに強い力で背中を押され、その場に踏み止まる事も出来ずに切り立った崖の上から宙へと放り出された。

 

彼女が最期に見た景色

 

派手な音を立ててその場に倒れこんだは、地面についた手と膝の痛みにハッと我に返った。

・・・!!」

茂みに身を潜めた和泰と睨み合いながらも、リンはそんなの様子に気付いていたらしい。―――普段の静かな声とは違う鋭いそれに、しかしは返事を返す事も出来ずに呆然と地面を見つめていた。

今、何があった?

リンを見つけて、駆け寄ろうとして。

強い力で背中を突き飛ばされ、崖の上から落ちた。

その時に、何が見えた?

自問自答に、は辛そうに眉を顰める。―――今にも溢れてきそうな涙を、必死に押さえ込んだ。

現実には誰に突き飛ばされてもいなければ、崖の上から落ちてもいない。

あれはの記憶ではない。―――では、一体誰の記憶?

それは問いかけるまでもなかった。

「大丈夫ですか、?」

返事がないに更に掛けられるリンの声。

しかしそれに返事を返す事も忘れて、はゆっくりとした動作で立ち上がると、茂みからこちらを睨みつける和泰を見返した。

なんて事なのだろう。

最もあっては欲しくなかった予測が、今まさにの目の前に突きつけられた。―――そしてそれは夢でも幻でもない事を彼女は知っている。

・・・?」

無言で和泰を見つめていたが、一歩足を踏み出した。

それは止まる事無く、一定の距離を保って和泰と対峙していたリンをも追い抜いて。

しかしリンの声でも止まらなかったその足は、正面から襲った目には見えない力によって否応なしに止められる事になる。

一瞬感じたのは、風だった。

次いで襲ったのは、痛み。―――それが何かを認識する前に、強い力で腕を引かれた。

「・・・リンさん」

「何をしているんですか、貴女は!」

珍しいリンの怒声に、は漸く我に返ったようだった。

彼女の腕を引いたリンは、そのまま匿うようにを自分の背後へと隠し、威嚇するように唸り声を上げる和泰へと再び視線を戻しながら先ほどとは違ういつもの静かな声で口を開いた。

「・・・何か、見えましたか?」

まるで見透かしたようなその問い掛けに、は強く唇を噛む。

ちょうどその時だった。―――待ちわびていた援軍が到着したのは。

「あそこ!!」

応援を呼びに行った麻衣の声が聞こえた直後、息を切らした滝川とジョンがその場に駆けつける。

その視線は、茂みの中の和泰に向けられていた。

「・・・滝川さん、気をつけて。彼はカマイタチを使います」

リンの言葉に視線を向ければ、リンもその背後に匿われているも、何かに切り裂かれたような傷がいくつも出来ている。

その破れた服に滲む血を認めて痛々しそうな表情を浮かべた滝川は、了解したとばかりにひとつ頷き一定の距離を保って和泰と対峙する。

ちょうどその時だった。

「きゃ!!」

短い悲鳴が聞こえ、は弾かれたように振り返る。―――その悲鳴の主である麻衣は、茫然自失といった状態で、柵に縋りつくように立っていた。

「麻衣さん!!」

麻衣の傍に立っていたジョンが、思わず声を上げた。

それにハッと我に返ったらしい麻衣は、青ざめた顔色のまま力なくその場に崩れ落ちる。

「ダイジョウブですか、麻衣さん!!」

突然の麻衣の様子の変化に慌ててジョンが彼女へと駆け寄る。

ジョンが心配げに麻衣の顔を覗き込むと、麻衣は呆然とした表情のままポタリとひとつ涙を零した。

「・・・和泰さんが、やったんだね」

麻衣の言葉に、振り返っていたが大きく目を見開いた。

麻衣もまた、と同じ光景を見たのだろうか。

強い力で背中を突き飛ばされ、崖の上から落ちた。

その時に、何が見えた?

「奈央さんをここで突き落としたんだね」

麻衣の瞳から、ぽろぽろと途切れる事無く涙が零れる。

それを見ていたは耐えるように拳を握り締め、ギュッと目を閉じた。

今でも鮮明に思い出す事が出来る。

崖の上から落ちた時、振り返ったときに見えた残酷な光景。

奈央は本当にあの光景を見たのだろうか?

彼女は覚えていないと言った。―――見ていないのだとすれば、それだけが救いだけれど。

「鳥を殺したのも、犬を殺したのも、車に細工したのも・・・―――みんなあなたなんでしょう!!」

振り絞るようにそう声を上げ、麻衣は耐え切れないとばかりに両手で顔を覆った。

傍に膝をついていたジョンが、労わるように背中へと手を添える。

その様子を横目で見ながら、リンは先ほどのの様子を思い出し納得した。―――間違いなく、先ほどはその光景を見たのだろうと。

「・・・お前さんは何者だ?何の恨みがあってこんな事をする?」

滝川が和泰を睨みつけながらそう問いかけた。

しかしそれに返事が返ってくる事もなく、和泰が唸り声を上げたと同時に目には見えない何かが彼らに襲い掛かる。

これがリンの言っていたカマイタチなのだろう。―――目には見えないというのに、滝川の身体にはしっかりとした切り傷が付けられていた。

「何者だ!言ってみろ!!」

滝川が、一際大きく怒鳴り声を上げた。

すると和泰はくつくつと小さく笑みを零すのみ。

「ナルを解放してどうする?何が目的だ!!」

解らない事が多すぎた。

彼らの正体も解らなければ、吉見家の人間に憑き命を奪うその理由も解らない。

しかし滝川のその問いに、これまでずっと笑みを零してきた和泰がキッパリと一言呟いた。

「死が」

死が、目的?

その言葉をはっきりと認識する前に、和泰は身を潜めていた茂みから飛び出した。

こちらに襲い掛かるのかと身構えるが、どうやらそうではないらしい。―――茂みを飛び出した和泰は、わき目も振らずに崖の方へと駆け出して。

「待て!とまれ!そっちは・・・!!」

和泰の突然の行動に、咄嗟に滝川が制止の声を上げるも彼はとまらない。

そのままバキッと大きな音を立てて柵へ体当たりをし、その勢いのままに彼は崖の下へとその姿を消した。

全員が呆然とその場に立ち尽くす中、が震える足で崖の傍へと近づく。

和泰に体当たりを受けた鉄で出来た柵は歪な形に歪んでいて、その勢いがどれほどのものだったかを物語っていた。

・・・!!」

誰かが自分を呼ぶ声を無視して、意を決して崖の下を覗き込む。

海の中に、和泰がいた。

遠目から見ても、もう彼が動く様子はない。

このままにしておけば、きっと彼もあの洞窟に吹き寄せられるのだろう。―――ここから突き落とされた奈央がそうであったように。

「・・・ひどい」

麻衣の震える声が耳に届いた。

彼女の涙の混じったその声に、は柵を掴んだ手に力を込める。

「なんでこうなっちゃうの?あたしたち、一体何の為に来たの?」

これほど己の無力さを痛感させられた事が、今までにあっただろうか?

これまで危険な出来事はたくさんあったけれど、その度に彼らはそれを乗り越えてきた。―――だというのに・・・。

そんな麻衣の問いともいえない呟きに答えたのは、絶望の滲んだ小さな声だった。

「・・・これで、よかったんです」

今のこの場では絶対に聞こえてはならない声に気付き、全員が弾かれたように振り返った。

「彰文さん!・・・いつから?」

麻衣の問いに彼が答えることはなかった。

ただ静かに涙を流し、感情を押し殺したような声色で呟く。

「少なくとも兄は、自分のした事を知らずにすんだのですから・・・」

それは自分自身にそう思い込ませようとしているようだとには思えた。

 

 

「・・・そうですか」

ベースで、暗い顔をしている面々から今日あった出来事を聞いた安原は、心痛な面持ちで相槌をうった。

滝川からの要請通りに調べ物をして帰ってきた安原は、その場の重く暗い雰囲気にどうしたのだと目を丸くしたものだ。

けれど話を聞けばそれは当然の事のように思えた。

誰も彼もが己の無力さを嘆いている。―――けれどそれでは事態は解決しない事も事実で。

「・・・元気出しましょう。まだ終わったわけじゃないんですから。こんな犠牲出して負けて帰ったら、それこそ何の為に来たんですか」

だからこそ安原は、皆を鼓舞するようにそう告げる。

ここまで来たのだ、簡単には引き下がれない。

そんな安原の言葉に、全員が意気消沈しながらもしっかりと頷く。

勿論、ナルがこんな状態である以上、こちらとしても引き下がるわけにはいかない理由があるのだけれど。

それでもしっかりと前に進もうとする彼らの様子を察した安原は、気を取り直して自分の傍らに置いてあったリュックサックをドサリと重い音を立てて全員の前に突き出した。

「さ!そうとなったら宿題を片付けちゃいましょう!」

「・・・宿題ね」

安原の発言に滝川は小さく笑みを浮かべる。

この中で今一番強いのは、もしかすると安原かもしれない。―――彼は現場を目の当たりにしていないからなのかもしれないが、それは今の彼らにとってはこれ以上ないくらい心強かった。

「まずこれが滝川さんご要望の新聞のコピーです。これが先代、こっちが先々代」

「おつかれさん」

安原から差し出された紙の束を受け取りつつ、滝川はそれに視線を落とす。

それを確認しながら、安原は他の面々に向かい説明を始めた。

つまり、新聞の内容を要約するとこういう事らしい。

まず先代・・・―――彰文のおじいさんがひいおじいさんから家を譲られた時、8人の人間が死んでいるという。

4人は心中。

残り4人の内、1人が自殺。1人が事故。

他の2人が原因不明の急死との事。

「・・・心中、か」

「ええ。次男が妻と2人の子供を殺して死にました。無理心中というやつですね」

滝川の呟きに、安原が頷きつつ答える。

「・・・無理心中」

話を聞いていたはポツリと小さく呟いて、何かに耐えるように眉を寄せた。

きっとそれも、霊に憑かれて起こった事なのだろう。

霊に憑かれているという事は本人の意識はなかったのかもしれないが、自分の妻と子供をその手にかけた男の心情はどんなものだったのだろう。―――せめてその人が最後までそれを自覚する事がなかった事を祈るが。

「それと客が2人死んでますが、原因ははっきりしません。海岸に死体が上がったので一応事故という事になってますが、怪しいと思いますね」

あとは死んだ霊能者が3人。

2人は自分たちが焚いた護摩の火が衣に燃え移って死んだのだという。

残り1人は原因不明の急死。―――計13人が亡くなった事になる。

「・・・13人」

尋常な数ではない。

当時もきっと事件に関わった人たちは不思議に思ったに違いない。

「その前のひいおじいさんの時には新聞に載っているだけで家族が6人」

ただ戦前の事なので、本当に6人だったかは怪しいと思う・・・というのは安原の言。

井戸に入っていた毒物のせいで死んだらしく、これは金沢のお店を閉めてこちらへ移ってきてすぐの事なのだという。

「・・・じゃあ、曾曾じいさんが死んだのはこっちに移ってからか」

「そのようですね」

滝川の小さな呟きに、安原が相槌を打つ。

こっちに来てから・・・―――その言葉がふと気にかかり、は僅かに眉間に皺を寄せた。

「享年78歳だから、ずいぶん高齢ですよね。もう息子に店を譲っていたんじゃないでしょうか。―――これが過去帳です」

「ああ、コピーさせてもらえたか」

「ええ、朝一番にお寺へ行ってコピーさせてもらって、それから市立図書館に寄ってすぐ金沢に行ってきたんですが」

「金沢まで行ってきたの!?」

シレッと答える安原に、麻衣は思わず声を上げた。

その反応に気を良くしたのか、安原は満足げに微笑んで。

「行きましたとも。もー、走った走った」

とんでもなくフットワークの軽い男だ、と話を聞いていたは隣に座る綾子と顔を見合わせながら小さく苦笑を漏らした。

さすがナルが協力を要請するだけはある。―――それだけ彼は有能なのだ。

「で、コピーを見ていて妙な事に気付いたんですが・・・おばあさんは確かこう言ったんですよね。―――『代替わりの時に必ず変事が起こるのです』って」

「ああ、そうだけど・・・」

「でもね。実際に吉見家で代替わりの時に大量の死人が出ているのは、先代と先々代の時だけなんです」

言われた言葉が一瞬理解できず、全員は目を丸くして安原を見つめた。

確かに今聞いたのは先代と先々代の話だけだ。

「それで帰りにもう1度お寺へ寄って、本家分家全部の過去帳をコピーさせてもらいました。―――結論を言いますと・・・問題は吉見家じゃなく、この場所にあるんですよ」

この場所に・・・?

問題は吉見家ではなくこの場所にあるというのなら、確かに先代と先々代の時にだけ変事が起こったのだという話にも納得できる。

吉見家がこちらに移ってきたのは、先々代の時なのだ。

彰文の一族は金沢の分家で、分家はここに越してきてから変事に見舞われるようになったのだという。

その前には本家筋の一家がここに住んでいたが、金沢の分家が移ってくる5年ほど前に絶えてしまった。

しかも本家がここに来て、最初の死者が出たのが安政3年。

それ以前はこの土地に吉見家は住んではいなかった。

その前は藤迫という家の者が住んでいたのだが、その藤迫家は安政元年に途絶している。

「で、住職を拝み倒して藤迫家の過去帳をコピーさせてもらいました。残念ながら2代分しか残ってないそうですが」

「えらいっ!」

「でしょ?」

思わず上がった滝川の賞賛の声に、安原は得意げに胸を張る。

昔のものとはいえ、他人の過去帳をコピーするなど、一体どんな方法を使ったのだろうか。

安原を相手に攻防を繰り広げたお寺の住職が少しだけ哀れな気がして、は心の中でひっそりと手を合わせる。―――こちらにとってはありがたい事だけれど。

「・・・つまりこの場所の元の持ち主だった藤迫家が変事で絶えて、その後に入ってきた吉見本家が4代で絶えて、で、今の分家一家がその後に入ってきたと・・・。―――なるほどな、場所か」

その経歴を踏まえれば、彰文たち分家一家も遠からず絶えてしまうだろう。

このまま変事が続けば、彼らの代が乗り切ったとしても次代・・・そしてその次は乗り切れるかどうか。

「ね?それでこの辺りの歴史とか伝説を調べてみたんですよ」

そう言って、安原はパンパンに膨れ上がったリュックから分厚い紙の束を取り出した。

それは全部あわせれば辞典くらいの厚さがある。

「これだけのもんを1日で調べたのか?金沢まで往復しつつ・・・!?」

普通では考えられない量だ。

移動だけでも時間が掛かるというのに、加えてこれだけの成果を上げるなど人間業ではない。

そんな滝川の驚きの声に安原はまたもや得意げに笑って、意味ありげに視線を向けた。

「僕は要領がいいですからね。図書館で新聞を閲覧するよりも先に何をしたと思います?」

「・・・な、何?」

なんとなく聞くのが怖いような気がして僅かに頬を引きつらせた麻衣を認めて、安原はピッと人差し指を立てて。

「暇そうな学生風の女の子にバイトを持ちかけたんで〜す」

明るい声色でそう言い笑う安原に、滝川と麻衣は呆然と彼を見つめる。

その視線に気付き、安原は更に笑みを深めた。

「急ごうと思ったら人海戦術しかないでしょ?で、金沢でも1人コピー要員を確保しまして、こっちに残した子と連絡を取りつつこれだけの資料を集めたわけです」

なるほど、それならばたった1日でこれだけの資料が集められた理由も解る。―――解るけれど。

「そこで女の子をチョイスする辺りが安原くんだよね。どうせその甘いマスクで女の子を誘惑したんでしょ?」

「人聞き悪いなぁ。僕、そんな男に見えます?」

「見えない。見えないから余計に厄介なのよ、安原くんは」

人のいい顔をして、笑顔で人を操る。―――それも操られている本人の気付かないままに。

およそ色仕掛けをするとか人を騙すといった人間には見えないから厄介だ。

そんなの感想をさらりとスルーして、安原は笑顔のままリンへと視線を移して。

「そういうわけで、バイト代は渋谷サイキック・リサーチから出ますよね?」

今更ながらの申し出に、話を振られたリンは思わず苦笑を漏らした。

「出しましょう」

「あー、よかった」

リンの言葉に、安原は心底安心したとばかりに息を吐く。

あのリンを笑わせる事が出来るのだから、やはり安原は侮れない。

そんな安原の芝居じみた様子に思わず笑みを零した麻衣は、しかしすぐさまハッと思い出したように表情を真剣なそれへと変えた安原を見て不思議そうに首を傾げた。

「そうだ!調べてる内にちょっと面白い話を聞きましたよ」

「面白い話・・・」

安原の言葉に、は訝しげに眉を寄せた。

この場合、面白い話と聞いて本当に面白かった例は少ない。

まぁ、興味深い話という意味なのだろうが、面白い話というからには笑える話であって欲しいとは思った。―――この状況でそれを望むのは無理だと理解していたけれど。

「それって、どんな話?」

「ええ、よくある『異人殺し』の民話なんですけどね」

「いじん・・・ごろし?」

さらりと告げられた言葉に、麻衣は目を丸くして問い返す。

異人殺し。

また物騒なキーワードが出てきたものだと思う。

しかしそれが今回の事件とどう繋がっているのか・・・。―――それは聞いてみなければ解らないけれど。

「・・・はぁ」

急に押し寄せてくる情報の多さに、はひっそりとため息を零して。

問題が家ではなくこの場所にあるというのなら、一体ここに何があるのか。

本当に自分たちだけで事件を解決できるのかと微かに不安を抱きながらも、無理でもやるしかないというのも現実で。

吉見家の命も、そしてナルの命も、自分たちにかかっていると思うと荷が重い気もするけれど。

それでもやるしかないのだ。

全てを見捨てる事など出来ない以上、出来る事を精一杯やるしかない。

「・・・よし」

は密かに気合を入れて、新たに説明を始めた安原へと視線を向けた。

 

 

◆どうでもいい戯言◆

かなり中途半端なところで終わってますが。

本当は説明を全部終わらせてから次に行きたかったのですが、説明長くて。(笑)

本当、安原くんは優秀だなぁ。

作成日 2010.2.28

更新日 2011.6.19

 

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